令和5年12月12日、甲賀市議会において地域の持続可能性と特に伴谷地区の課題についての深い議論が展開された。市長の岩永裕貴氏は、人口減少と高齢化が進んでいる地域の厳しい現状について強調し、特に地域の持続可能な発展に向けた取り組みが必要であると指摘した。
この地区では、近年、特に高齢者世帯が増加し、地域の役割を担う若手の担い手不足が深刻化している。議員からは、限界集落に指定されている集落もあると報告され、地域の危機感が強調された。
高齢化が進み、65歳以上の人口比率が50％を超える集落も増えつつある中で、市では過疎地域に対する施策を強化する必要性が訴えられた。特に、名田町など一部の地域では実際に過疎化が進んでおり、一部の住民がコミュニティの維持を困難に感じている。
その中でも、自治振興会の役割が大きいとされており、コミュニティの課題解決に向けた支援が必要であるとの意見も出された。市側は、地域リーダーとの意見交換会を通じて、地域の事情や住民の声を把握し適切な支援策を検討している。
次に、伴谷地区における交通問題も議論の焦点となった。特に、交通量が多いために児童の通学路の安全が脅かされており、交差点の改良が求められている。また、地域内の道路の維持管理や清掃・草刈りといった作業も、高齢者にとっては負担が大きく、支援が求められている。
林田議員はこのような状況に対し、循環可能な地域社会の構築が急務であると述べ、地域住民だけでなく、行政も含めたより一層の協力と支援体制を整えるべきとの意見を述べた。また、農業集落における高齢者の農作業支援や、草刈り・管理に関する助成金の増額等も提案された。
移住・定住政策に関しては、地域の子どもたちが戻りやすいような条件整備が求められた。自治振興会の資源や地域資源の継承、これを支える仕組みの検討も重要であり、さらなる新たな施策の必要性を感じさせる内容が続いた。
市長は、地域社会を支える活動に対する補助金や支援のあり方を再検討し、地域に寄り添った施策を打ち出していく考えを示した。