甲賀市では獣害対策の現状について、令和5年度には約1300万円の被害が報告され、前年より11%の増加が見られた。主な害獣であるイノシシや鹿が農作物へ及ぼす影響が顕在化している。これに対し、地域では捕獲体制の強化や防止対策が重視されており、補助事業も存在する。しかし、獣害が後を絶たない現状から、新たな施策の必要性が声高に叫ばれている。特に追い払い犬の導入が注目されており、兵庫県の森林動物センターの成功事例が引き合いに出されている。追い払い犬を活用することで、減少した獣害が、地域の負担を軽減する可能性がある。
次に中学校の部活動の地域移行について、国のガイドラインに沿い、教育委員会は地域連携の重要性を認識しつつも、移行の具体的な進捗は乏しい。今年度は一部の中学校で地域クラブへの受け入れが始まっているが、全体的な移行はまだ途上にある。現場の教員が地域クラブに移行することに対して様々な意見が存在し、これが移行の遅れに繋がっている。また、保護者にかかる新たな負担も懸念されており、行政は費用面での支援策を模索している。
登山者の安全確保については、市内での遭難件数は近年増加傾向にあり、安全啓発の取り組みが重要視されている。しかし、市が提供するサポート体制は充分とは言えず、多方面からの情報提供や地域協力が求められていることが課題となっている。登山道や注意喚起の看板についても、さらなる整備が必要であるとの意見が多く、これに対する迅速な対応が望まれる。
最後に、子ども・子育て条例の必要性が言及され、地域全体で子育てを支えていく環境作りが求められている。これは、単に施策を施すだけではなく、地域の人々が「子育ては皆の責任である」という意識を持つことが重要であり、こうした条例が市民に広く受け入れられることで、甲賀市をより魅力的な子育て支援の場所とすることができる。
このように甲賀市では、獣害問題、中学校の部活動の地域移行、登山者の安全確保、そして子ども・子育て施策といった多岐にわたる課題への取り組みが進められています。市民とともに課題解決に向けた創意工夫が急務であると言える。