湖南市議会の令和5年12月定例会において、交通渋滞や公共交通の在り方に関する重要な質問が提起された。
川波忠臣議員は、まず菩提寺周辺の交通渋滞問題を指摘し、市道菩提寺野洲線と市道菩提寺中央線の交差点における道路冠水の現状について質問した。これは過去にも水害が発生していることに由来しており、その後、滋賀県内での流域調整が進められている。
さらに、川波議員は広野地区の開発に伴う水害リスクにも言及した。市は開発区域に調整池を設ける計画を立てており、これにより大山川への排水能力を適切に管理することを目指している。そこで重要なのは、既存水路の清掃や修繕で、地域の人々の協力も必要となる。
また、菩提寺新町の交差点における右折レーン設置についても言及。市は、交通量調査を実施することで必要性を評価し、現在の交通状況に適応した対応策を模索している。特に、混雑度が高い現状を受け、右折レーン設置の検討が続けられている。
次に、川波議員は公共交通の問題にも関心を寄せ、「あいのりこなん」の実証運行に触れ、利便性の向上に寄与する一方で、運転手不足の問題でサービスが限られることに懸念を示した。この点について市長は、運転手不足が喫緊の課題として浮き彫りになっていると認識しており、持続可能な公共交通の構築に向けて、今後の対策を強化する方針を示した。
さらに、川波議員は、国道1号線の4車線化計画と併せて、(仮称)野洲竜王湖南広域幹線道路の推進についても取り上げ、その整備が交通流量の分散に十分貢献すると期待を寄せた。
こうした質疑の中で、湖南市としては、地域住民のニーズに即した交通インフラの整備を進める一方、公共交通の充実に向けた、新たな施策を推進していく必要性が強調された。将来的にはただ単に交通の維持管理を行うだけでなく、より良い生活環境を提供するために、先を見越した計画策定が不可欠である。