令和5年9月12日、湖南市議会定例会において、いくつかの重要な議案が審議された。議案第63号、「工事に関する変更協定の締結について」の撤回が市長、生田邦夫氏によって提出され、議会において承認された。この撤回は、当初契約に議決を要しない変更内容だったことが判明したことが理由である。
藤川みゆき議員による一般質問では、災害時の情報発信についての質疑が行われた。藤川議員は、情報の鮮度が命を守るとし、特に防災情報の重要性を強調した。彼女は、防災行政無線や市のホームページの更新が遅れていることに懸念を示し、「最新の情報が提供されなければ、住民の安全が脅かされる」と発言した。この点に関して、総合政策部長、竹内範行氏は、「防災情報は重要であり、情報の適正な管理に努める」と答弁した。
また、小・中学校のトイレ環境についても藤川議員は言及した。彼女は、学校のトイレ臭さや使用率について問題視し、他自治体の事例を挙げながら様々なアプローチが必要であるとし、教育部長もその現状について認識していると回答した。特に、清掃業務の外部委託の提案については今井教育部長は前向きな姿勢を示した。
議案の中でも、特に議案第52号、湖南市職員の特殊勤務手当に関する条例改正、議案第53号の湖南市立図書館条例改正の内容が注目された。図書館条例については、石部図書館の閉館にともなうサービスの移行や、甲西図書館での機能強化を図る方針が説明された。市長は今後、利用者の需要を考慮し、適切なサービスを提供していくことが重要であると強調した。
意見書の提出も行われ、意見書第5号「子どもの医療費助成拡充に伴う財政負担に関する意見書」は賛成多数で可決された一方で、意見書第6号「滋賀県立小児保健医療センターのベッド削減の中止を求める意見書」は反対多数で否決された。この結果は、議会内での意見の相違が浮き彫りとなった。議会は、今後も市民の意見を反映しながら、施策を進めることが求められる。