令和2年12月3日、吉見町議会は第5回定例会を開催し、各議案が討議された。本会議では、特に議案第73号の吉見町議会議員及び町長の選挙運動に関する公費負担に関する条例が注目を集めた。専任の総務課長、中島浩規氏は、この条例が公職選挙法の一部改正に基づくものであり、選挙運動用自動車やビラ、ポスターの作成費用を公費で負担する旨を説明した。これに対し、賛成意見が多かったものの、日本共産党を代表する杉田しのぶ議員は、立候補しやすい環境を整備することは大事だが、一方で供託金制度の導入や、経済的負担の増加を懸念した。
次いで、議案第74号の吉見町課設置条例の改正については、新たに11の課を設置し、組織機構の改革を図るものであると説明があった。特に、新型コロナウイルス感染症対策として、危機管理課の設置が注目を浴びた。神田隆議員は、専門職の確保の重要性を強調し、迅速かつ柔軟な対応を求めた一方、コロナ禍におけるサービス向上に対する心配の声も上がった。
また、議案第76号では、吉見町コミュニティセンターの廃止が提案されたが、これに対する賛否が分かれた。町民の利便性向上が強調される一方、地域の交流の場を失う懸念も指摘された。根本的に、地域防災に関する議論や隣接地域との整備協力の観点から、地元住民の声が重視される必要性が感じられた。
さらに、請願第1号として提出された、市野川堤防強化に関する請願書では、地域住民の強い要望が見られたが、堤防整備の管理権限が県にあることから、実現の可能性には懸念が示された。吉見町としては、ソフト面での対応を進めることが急務であるとの考えが強調された。
このように、議会では住民の言い分が多く取り上げられ、特に自然災害に関する防災体制の強化や経済的安定の重要性が再認識される結果となった。各議案は慎重に審議された後、賛成多数で可決され、本会議は午後に閉会した。