美里町議会の令和2年第3回定例会では、議員からの一般質問が行われた。主要な質問は、遊休農地の活用や市民農園に関するもので、櫻澤明議員が主に取り上げた。議会では、地域の農業振興とコミュニティ形成を促進する意義を強調した。
櫻澤議員は、増加する遊休農地を活用し、市民が農業体験をできる場所として市民農園を設ける提案をした。農業を通じた交流が地域を活性化する可能性を示し、健康でゆとりのある生活の徹底を図るべきと訴えかけた。「遊休農地を利用して市民農園を作り、町民が農業を楽しむことにより、地域コミュニティの活性化につながる」との見解を示した。
原田信次町長は、この提案に関し、町内の遊休農地が増加していることに触れ、農地中間管理事業や農地バンク制度を推進していると強調した。さらに、地域の農作業を通じて農業の魅力を伝える教育も重要だという意見も併せて述べている。「市民農園は、町外からの人々にも訪れてもらい、農業体験を通じた交流を生み出すことを目指します」
一方、櫻沢克幸議員は空き家の管理問題に焦点を当て、町内の空き家の増加とその処理方法について質問した。原田町長は、現在216件の空き家が確認されており、これが地域住民に影響を与える可能性を認識しているとした。今後、空き家相談窓口の設置や空き家バンクの活用を検討していることを明かした。「町民の意見を参考にし、適切な支援制度を構築する必要があります」
最後に、医療体制に関する質問でも、救急医療を担う病院や体制の重要性が取り上げられた。町長は、児玉郡内での救急医療体制について説明し、地域の医療機関との協力関係を強化していく意向を示した。特に、庁舎内での業務効率化や地域住民への迅速な対応が求められている。
これらの議論から、地域住民のニーズに応じた施策の迅速な対応が今後の町政における重要課題の一つとなることが浮き彫りになった。議員たちが町を良くするために議論を重ね、町民一人一人が幸せになれる施策の実現に向けて取り組む姿勢が見える会議となった。