令和元年6月の美里町議会定例会では、議員から様々な質問が提起された。特に注目されたのは、学校給食費の無償化についての質問である。
櫻沢克幸議員は、学校給食費無償化を求め、全国の動向や近隣自治体の実施状況について詳述した。彼は、給食が育ち盛りの子供たちにとって重要であることを強調し、家庭の経済状態に関わらず、すべての子供に十分な栄養を提供すべきだと訴えた。
一方、原田信次町長は、学校給食費無償化には新たに年間約3,100万円の予算が必要であると指摘し、現行の補助制度により対応していく意向を示した。しかし、他地域の取り組みを踏まえ、無償化についての議論は続けるべきだとの姿勢を崩さなかった。
また、耕作放棄地についても櫻沢議員が質問をした。町内での耕作放棄地の現状について、農業委員会によるパトロール調査から、約18ヘクタールの耕作放棄地が確認されていることが報告された。町では、農地中間管理事業を通じて、放棄地の利活用を進めているが、まだまだ課題が残るとのことである。
さらに、産業廃棄物工場からの悪臭問題についても、堀越賢司議員が厳しく指摘した。住民からの苦情や不安の声を受け、町では改善策を講じるべきであると強調した。町長は、県との連携を強化し、悪臭防止策の徹底を図る意向を示した。具体的には、定期的な巡回や環境保全協定の遵守に努める考えを述べた。
デジタル化の推進や空き家バンク制度についても議論された。美里町はデジタルファースト法に基づき、行政手続きをオンライン化することが求められているが、現在のホームページの状況について改善が必要との声が上がった。
議会では、町の取り組みや制度に対する具体的な提案がなされ、地域活性化に向けた議論が活発に行われた。美里町は、これらの議論を受けて、さらに多様な施策を検討し、実行に移す必要があると言える。