令和5年12月11日に開催された鴻巣市議会定例会では、様々な課題が討議された。特に注目を集めたのは、市制施行70年を迎える令和6年度予算編成に関する議論である。
金澤孝太郎議員は、令和6年度の予算編成について、市としての基本的な考え方と取組方針について質問した。これに対し、谷広明財務部長は、財政健全化に向けた取り組みとして、実質的な公債費比率や将来負担比率が健全な水準であることを説明したが、扶助費の増加が財政に与える影響についても言及した。特に、国からの支援策を有効に活用し、地域の安全や子育て支援、防災対策など、市民生活に密着した施策を継続して進める重要性を強調した。
また、不登校生徒への支援体制についても議論が行われた。教育部副部長の池田耕司氏は、不登校の子どもたちが抱える複雑な要因を指摘し、適応指導教室やスクールソーシャルワーカーとの連携により、個別のニーズに応じた支援を行っていることを報告した。また、保護者に向けた支援策についても言及し、不登校児童生徒の改善に向けた取り組みが重要であると述べた。
さらに、地元のシンボルでもあるコウノトリについても語られた。古山大輔議員は、コウノトリの繁殖および放鳥に向けた取り組みについて質問し、市役所が行っている環境整備活動を称賛した。宇野彰環境経済部副部長は、コウノトリの飼育および繁殖するための地域の環境づくりについて述べ、魚道の設置など具体的な努力を挙げた。
市民による自治会の活性化についても質問が寄せられ、地域参加がいかに重要かが強調された。市は、若者を含む幅広い世代の参加を促す施策を通じ、その意識を高めることが求められる。このように議会では市の未来にかかわる多様な要素が議論され、市民とともに新しい鴻巣を築いていくための具体的な施策が提案された。
今後も、埼玉県鴻巣市は市民の声を重視し、地域課題に向き合った施策を着実に進めていく必要がある。70年の歴史を振り返りつつ、次世代へと繋がる根源的な取り組みが期待される。