令和元年12月10日、鴻巣市議会において、先日の台風19号に関する質疑が行われ、市の災害対策について多くの意見が交わされた。
初めに、台風19号による市内の被害が報告された。床下浸水や公園の倒木など、数多くの被害が発生したが、幸いにもけが人は出なかったという。しかし、市民の安全確保を目的に、避難情報の発信の重要性が強調された。
質問に立った坂本晃議員は、最初に自主避難所の開設状況について質した。市長の答弁では、避難所は早期に開設され、市役所や支所が利用されたことが報告された。特に、吹上支所では多くの避難者が集まり、必要最低限の物資も確保されていたと述べた。また、運営にあたっては地域の人々からの支援も重要だとの認識が共有された。
次に、水没の可能性のある避難所に関する議論が続いた。この点については河川の水位監視が重要であり、本部と現場間の情報共有の強化が必要であるとの意見が示された。加えて、避難者の帰宅に関して、午後遅くの解除は不安を招くとの意見もあり、避難所での生活環境の改善が求められた。
また、避難所のトイレが和式であることに関しても改善が望まれる。特に高齢者にとって、洋式トイレの設置は基本的な環境整備であり、迅速な対応が求められる。
駐車場に関しては、本市の指定避難所のスペースが著しく限られているため、避難者数の増加に対処できるような対策が求められた。加えて、ペットの同行避難の必要性も再確認され、避難所環境における対応が検討されるべきであると強調された。
体育館のエアコン導入についても議論があった。避難所としての快適性を確保するため、暑さ対策については県からの補助金などの活用が期待されている。また、災害時の情報発信方法については、特にフラワーラジオの重要性が述べられ、効果的な広報手段として活用すべきとの意見もあった。
この日の質疑を通じて、市の防災体制や避難所の改善点が浮かび上がり、今後の活動に向けた重要な指針が示された。多くの市民が、このような体制の強化や説明の充実を期待し、正確で迅速な情報提供を求めていることが、各議員の発言からも強く伝わってきた。