令和3年11月8日、鴻巣市議会臨時会の第1日目が開かれ、重要な議題が議論された。
特に議案第98号「令和3年度鴻巣市一般会計補正予算(第8号)」が注目を集めた。この補正予算は、新型コロナウイルスワクチンの3回目追加接種に伴う接種体制の整備と、米価下落に苦しむ農業者への支援を目的に組まれたものである。
原口和久市長は、「新型コロナウイルスの影響を受けて厳しい状況にある農業者の営農継続を支えるため、迅速な対応が求められている。」と述べた。今回の補正予算は、米の需給安定やワクチン接種体制確保を重視しており、総額は約1億7000万円に上る。具体的には、ワクチン接種事務手数料や農業者への経営支援金が予算に計上されている。
この補正予算に関して、竹田悦子議員は、「ワクチン接種健康被害調査委員の設置背景について疑問がある」と発言し、詳細な説明を求めた。これに対し、髙木啓一健康福祉部長は、「健康被害調査委員会は、市の健康被害に関して報告する立場で、直接的な認定権限は持たない」と説明した。
また、ワクチン接種の手続きやスケジュールについても多くの議員からの質問が挙がった。市は、高齢者が適切に接種を受けられるよう、接種券の発送や予約方法について細心の注意を払う方針を示している。過去の接種時の混乱から、改善策を求める声が多く寄せられた。市としては、公民館での予約支援や、電話予約のつながりやすさを向上させるための対策に取り組む方針である。
加藤英樹議員は、「米価下落は新型コロナの影響である」と述べたが、坂本晃議員は反論し、「米価下落の背景には他の要因もある」と指摘した。このように、米価問題に関しても激しい討論が交わされ、今回の補正予算が持つ意味の重要性が再確認された。
議会は最終的に、議案第98号に賛成し、可決を決定した。市の支援策は、今後の農業の持続可能性にも大きな影響を与えることが期待されている。