令和2年3月16日、鴻巣市議会は定例会を開会した。
この日は主に各議案に対する質疑が行われ、特に新型コロナウイルスなどの影響を受けた市民生活に関する議題が数多く取り上げられた。議事の中で、金子議長は会議日程に沿って議案の報告を行い、続いてそれぞれの議案に対する質疑が続いた。
その中でも注目を集めたのは、教育委員会に関する質疑である。12名の新入生が中央小学校に進学予定であることが発表された。そのため、笠原小学校には初めて新入生がゼロになる見込みであるとして、今後の小学校の生クラス数や、教育方針に不安を抱く保護者の質問が相次いだ。加えて、施設の運営に際して、教育委員会が行う送迎サービスについても意見が集められた。
また、コウノトリの里づくり事業についても質疑が行われ、この事業の継続可能性について疑問の声が上がった。コウノトリを育成し放鳥するための施設整備費用が1億円を超えていることから、財源確保や運営費用についても追及された。市は、特別記念物であるコウノトリの飼育を促進すべく、地元との連携を図りながら進める考えを示した。
しっかりとした事業計画を持たず実施した場合には、無用の長物に終わらないかという懸念が指摘されたが、市は積極的にプロジェクトを続ける姿勢を崩さなかった。特に、市民活動の促進と合わせて、鴻巣市のブランディング戦略の一環として位置づける構えを見せた。
さらに、公共交通関連の議論も交わされ、フラワー号やひなちゃんタクシーの収支結果、利用者数の減少とその要因について説明がなされた。新型コロナウイルスの影響で交通手段が大きく制限されている中、交通会議において利用者の意見を尊重する姿勢や、その反映必要性が強調された。
市は、引き続き市民のニーズを調査し、公共交通の活性化に向けた取り組みを進める旨の決意を表明した。
この定例会では、特に市民の生活に直結する問題、すなわち教育、交通、環境保護の重要性が浮き彫りになり、これらの議題に対する質疑応答が活発に行われた。今後の対策として市は、取り組みを進める方針を示して結んだ。