羽生市議会は令和5年6月29日に定例会を開催し、主に自治会未加入者のごみ収集問題や熱中症対策について議論が行われた。
初めに、自治会未加入者がごみ集積所を利用する際の問題が取り上げられた。西山丈由議員は、自治会加入率の低下による影響や自治会未加入者への市の対応について質問した。現在、自治会の加入率は減少傾向にあり、令和5年度は69.3%と報告されている。これに対し、経済環境部長は「自治会未加入者がごみ集積所に出すことを断られる事例がある」と述べ、地域のつながりが薄れつつある点を懸念し、自治会への加入促進を図る方針を説明した。
続いて、自治会未加入の高齢者が自力でごみ処理することの難しさにも触れた。部長は「高齢者が自分でごみを捨てに行けない時は、周囲の人に頼むことが原則」と述べたが、移転後の清掃センターまでの距離が問題視されている。
次に、野中一城議員が取り上げた熱中症対策については、特に高齢者をターゲットとした啓発活動が求められている。市民福祉部長は「高齢者向けのエアコン使用促進や、声かけを通じた注意喚起の必要性」を強調した。政府が定めた熱中症対策にのっとり、市は高齢者や子どもへの配慮を強化しているが、予防行動を促すための具体的な取り組みについても聞かれた。
また、公園の運営に関する議論も行われた。羽生市には40か所の都市公園があり、維持管理に対して自治会からの意見が増えている。高齢化が進む中での管理運営の困難さが強調され、自治会委託の公園管理の継続に向けた施策が求められている。まちづくり部長は「公園の老朽化対策としての点検を行い、地域住民との協力が必要」と述べ、これからの維持管理についての考えを示した。
最後に、特に注目されたのはプレーパーク事業であった。子どもたちが自由に遊べる場を提供するこのプロジェクトに、移動型拠点の設置が検討されている。部長は「環境を整える必要があるが、非営利団体と連携しつつ調査研究を進める」と強調した。地方自治体として、地元の実情に応じた柔軟な対応が求められており、来たるべき社会問題への対応として注目を集めている。