令和4年3月1日の羽生市議会において、令和4年度羽生市一般会計予算などに対する質疑が行われた。
質疑の中で特に注目を集めたのは、保泉和正議員(羽生市議会議員)による、地域福祉の推進に関する乗合型デマンド交通の実証運行についての質問である。議員は、交通弱者の移動手段の確保や既存のあい・あいバスとの共存方法について、具体的な質問を投げかけた。これに対し、宇都木一男総務部長は、実証運行は令和4年10月から開始され、月曜日から金曜日の運行時間は8時から17時まで、運行台数は3台、利用可能人数は月340人を見込んでいると説明した。運行経費は約3046万円とされ、国や県からの財政措置も検討しているが不透明な状況であるとのことである。
次に、防災対策の推進としての防災行政無線のデジタル化も話題となった。保泉議員は、デジタル化による難聴地域への効果や、実施にかかる経費について質疑を行った。これに対して宇都木総務部長は、事業費総額は約10億円以上とのこと、国や県からの支援措置により、70%の補助が見込まれ、雨天時などの条件でも音声がクリアになるが、難聴地域への解消に期待が持てないという現実も指摘した。
さらに、地域の農業振興に関する質問もあり、保泉議員は新規就農者の支援事業に関する問いを投げかけた。それに対し、小礒行男経済環境部長は75万5,000円の補助金の支出見込みや、農業従事者の所得向上にも寄与する方針を示した。また、世界キャラクターさみっとの予算が昨年度比で削減されたことについても質問され、観光促進と地域創生の観点から、今後の事業内容についての説明を行った。
このように、羽生市の一般会計予算に対する質疑は多岐にわたり、地域の福祉や防災、農業振興に論点が集まり、各事業の実施方法や財源に関する具体的な意見交換がなされることとなった。議会は、地域住民の為の新たな施策について、更なる審議を進めていくことを誓った。