羽生市議会の令和4年6月定例会において、いじめ問題やヤングケアラーの支援、さらに上下水道の広域化といった重要なテーマが取り上げられた。
特に注目を集めたのは、増田敏雄議員による「スクールアドバイザー」の必要性についての問題提起だ。教育委員会が行った調査によれば、87.4%の教職員がいじめ問題への中立的な第三者機関の設置を求めていると結果が出ている。これは、学校が直面するいじめの対応において、保護者との関係がこじれ解決が困難になるケースが多いためである。
増田議員は、「いじめ問題の対応が遅れるケースの原因で42.8%が保護者との話合いが難航すること」と指摘し、スクールアドバイザーの必要性を強調。さらに、保護者との関係が難航すると「説明しても納得いただけない」という声が多く上がるとの調査結果も示した。これには多くの議員や市民が共感し、即座に行動に移すべきとの意見が出た。
続く質問では、ヤングケアラー問題についても議論が行われた。自宅における高齢者や病気の家族を支えるために、無償で介護を行っている子どもたちを支えるための条例制定についての意見が述べられた。埼玉県では既にヤングケアラー支援条例が制定されており、羽生市においても同様の取り組みが必要との指摘が相次ぎ、地域の相談体制の充実や支援の具体化が求められた。
一方で、上下水道の広域化については、行田市、加須市との連携を強化し、長期的な視点での経営基盤の強化が必要とされている。特に、インフラ設備の老朽化や人口減少が問題視されており、より効率的な運営が求められるとの声が上がった。
最後に、文化財の保存及び活用に関する取り組みも活発に議論された。市は、地域の文化財を把握し、保存と活用のための総合的な計画作成を進め、その重要性を認識しつつある。しかし、未指定の文化財に対する調査が進んでおらず、今後の進展が期待される。