令和3年第3回交野市議会定例会が6月4日に招集され、市の重要な議題が多く扱われた。
まず、黒田実市長が新型コロナウイルス感染症への対応状況を報告した。4月には206名、5月には110名の新規感染者が確認されており、感染者数は減少傾向にあるものの、医療体制は依然厳しい状況が続いている。市長は、市民への外出自粛や公共施設の利用制限への協力に感謝の意を表し、早期のワクチン接種を目指していると強調した。接種状況について、6月3日現在で、65歳以上の高齢者に対し1回目の接種予約者は約70.7%に達し、接種済み率は44.2%であることが報告された。
次に、日程の中で「人権擁護委員の推薦について」が重要な議題として取り上げられた。黒田市長は、清水秀子氏を引き続き人権擁護委員候補者として法務大臣に推薦する旨を説明。清水氏は教育現場での経験が豊富で、地域貢献に意欲的であることを評価し、議会に理解を求めた。
また、「令和2年度交野市一般会計繰越明許費繰越計算書」についての報告も行われた。近田邦彦企画財政部長は、繰り越し対象の事業16件にかかる詳細を説明し、特に新型コロナウイルスワクチン接種事業に関する経費が3,521万円であり、年度内の完了が難しい事業について適切に処理されているとの見解を示した。
議案においては、数件の専決処分事項が報告され、特に交野市税条例の改正や介護保険特別会計の補正予算に関する事項が審議された。市民部長の小川暢子氏は、改正理由として新たに設けられた税制改正や、扶養親族申告手続の簡素化を挙げた。また、懸案となっている「交野市立第一中学校区における施設一体型小中一貫校設置の賛否を問う住民投票条例」については、黒田市長が、この問題は地域事情を考慮し、全市的な賛否を問うべきではないとの見解を示した。
この他にも、議題は多岐にわたり、議論は活発に展開された。議会は6月29日までの会期中、引き続き市民の生活に直結する重要な案件に対し審議を行う予定である。