令和元年10月の定例会は、交野市の財政と市民サービスの質を検討する重要な機会となった。
この会議では、「平成30年度交野市一般会計歳入歳出決算認定」など重要な議案が討議された。議案第59号については、慎重審査を要することから閉会中継続審議に付されると決定した。
また、「交野市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定」については、国の法改正を受けた非正規公務員の処遇改善を図る内容だ。総務文教常任委員長の野口陽輔氏は、討論においてこの改正の意義を強調し、採決の結果満場一致で可決されることとなった。
さらに、議案第76号である「令和元年度交野市一般会計補正予算（第2号）」が提出された。議題の中で、待機児童対策として認可保育所の整備予算が含まれていることが評価された。ただし、星田出張所の業務縮小について問題視する意見もあり、地域住民が身近に利用できる窓口サービスの維持を求める声もあった。
また、「市議会議員報酬1割削減を求める請願」に関する討論も白熱した。この請願は、市民感覚に寄り添った議会の運営を求めるものであり、松村紘子議員は市議の年収が国民の平均年収と比較して高いとの認識を示した。しかし、反対意見も多く、議員報酬の削減の背景やその影響を慎重に検討すべきとの論調も強かった。
高齢者の安全運転支援や移動手段の確保を求める意見書も提案され、多くの議員が賛同した。高齢者の交通事故防止に向けた施策が求められる中、地域における移動手段の確保は急務であるとの認識が広がっている。
これらの議案や請願は、交野市の将来に大きな影響を与えるものであり、議員たちの積極的な姿勢が求められている。市民生活や地域の発展を見据えた議論が今後も続くことが期待される。
市長の黒田実氏は、この会議の成果を評価し、議員たちへの感謝を述べるとともに、さらなる市政の発展を訴えた。気候変動によるリスクに警戒しつつ、地域の宝である健やかな市民生活の構築を目指す方針も示した。