令和5年12月7日、交野市の定例会が開催された。議題には人事関連の議案が多く、特に交野市一般職の給与に関する条例改正が大きな注目を集めた。
市の給与制度は、令和5年の国家公務員の給与に関する人事院勧告を受けて、大幅な改正が求められている。この改正により、一般職の初任給が一律に引き上げられる見込みであり、特に若年層への重点的な待遇改善が図られることとなっている。これを受けて、松村紘子議員は「公務員の給与が民間給与に迫る水準まで引き上げられることは、期待すべきことである」と述べた。
さらに、今回の改正では、期末勤勉手当の支給月数が引き上げられることもあり、議員たちはその影響を懸念するとともに、どのように市民に対する納税の負担を軽減するかが議論の中心となった。これに対し、副市長の艮幸浩氏は、「経費の削減に努める一方で、公共サービスの質を維持する努力を続ける」と強調した。
また、この議会では水道事業に関連した議案も多く、特定に水道料金の値上げが議論された。藤田茉里議員は「地域住民への水道料金の負担を軽減するために、何らかの対策が必要である」と訴えた。市は、急激な物価高騰の影響を受けている状況を丁寧に説明し、新しい料金の施行が令和6年度から行われる見込みが示された。
一方で、一般質問も行われ、安部敬子議員は「不登校の子どもを取り巻く環境」や「子供たちの健康医療におけるがん患者へのアピアランスケア助成」について問うた。教育長の北田千秋氏は、不登校児童の支援体制や教育環境の改善に向けた施策を進めていると述べた。
健やか部長の島田国久氏は「がん患者のアピアランスケア支援については、来年度から制度を整備していくことを目指している」と回答し、福祉部長の北井多栄子氏も「地域共生社会の実現に向け、障がい者のグループホームの整備を推進していく」との方針を示した。
総じて、今回の定例会では、給与改正や水道事業の施策の他、市民生活に直結する重要な話題が数多く取り上げられ、今後も市として市民の意見に耳を傾け、透明で公正な運営を続ける必要があることが確認された。市民への丁寧な情報発信が求められる中、この定例会は市政に対する市民の信頼を醸成する上でも重要な意味を持つものとなった。