交野市議会では、令和2年第6回定例会が12月24日に開かれ、議員提出の第15号案についての審議が行われた。主要なテーマは、交野第一中学校区における施設一体型小中一貫校の設置を賛否する住民投票条例案であった。
まず、議案は去る12月16日の本会議で付託され、12月22日に開催された委員会で多くの質疑応答が交わされた。ただし、時間の制約のため、各議員からの質疑概要のみが報告された。議員たちは、条例の正確性や投票の成立要件、住民投票の執行方法について、詳細な意見を交わした。
条例案に対する意見として、野口陽輔総務文教常任委員長は、「整合性の指摘について一定事実」と述べ、条例の中で使われている名称について懸念を示した。参加議員から寄せられた質疑の中では、他市の実例を挙げて投票成立要件の必要性が指摘された。
討論において意見が分かれた。松村紘子議員は賛成の立場から、「市民の意見を的確に反映させることが重要」と強調し、住民投票の意義を訴えた。一方、反対の立場を取った伊崎太陽議員は、「住民投票が本当に必要か疑問」とし、すでに説明会が多数開催されている状況を指摘した。
また、藤田茉里議員も賛成の意見を述べ、「不安を払拭するために住民の意向が必要」とし、さらなる情報提供を求める声が上がった。しかし、友井健二議員や久保田哲議員などは、住民投票の手法が特定地域の意見を無視しているとして反対し、「住民投票実施の法的根拠の不備もある」と指摘した。
当然ながら、最終的には、採決において賛成票が少数だったため、議案は否決される運びとなった。議会終了時に、市長の黒田実は、今後の市政運営への市民の声を聴く重要性を強調し、今後も誠実な対応を行う意思を表明した。