令和2年第1回高梁市議会の定例会が開催され、議案質疑が行われた。今回の定例会では、公共施設の被害件数や公共交通網形成計画の進展、アナログ防災行政無線の廃止等、多岐にわたるテーマが議論された。特に、伊藤泰樹議員からは市長に対し、豪雨災害による公共施設の被害状況や発注見込みについての質問が集中した。市長の近藤隆則氏は、災害による影響で未発注の案件が残ることを認めつつ、令和2年度中に全ての発注を見込んでいるとの意向を示した。
さらに、公共交通網形成計画に関する質疑も行われ、伊藤議員は地域住民の意見聴取の重要性と、計画に対するパブリックコメントの実施状況について問及した。市長は、パブリックコメントを通じた意見収集の必要性を強調した。また、黒川康司議員からは、ANA総合研究所の人材派遣事業活用について問われ、市長がこの人材派遣制度の意義と観光への経済効果発揮に期待を寄せていることが明らかになった。
他にも、地域おこし協力隊員やインバウンド観光についての質疑が行われ、行政の施策が地域の産業や観光振興にどのように寄与するか、様々な意見が交わされた。地域住民とのコミュニケーションを基にして、より効果的な取り組みが求められるとの意見が多く、福祉施策や減災対策の強化の必要性が叫ばれた。こうした議論を通じて、高梁市の未来に向けた施策の具体化が期待される。