令和６年第１回高梁市議会での一般質問では、今後の地域振興に絡んだ重要なテーマが取り上げられた。
まず、森林環境譲与税について、新たに導入されるこの税は森林整備を促すためのものであり、市はこの資金をいかに活用するかが重要な課題として浮上している。地球温暖化や生態系の保護といった観点からも、森林の整備は喫緊の課題で、副市長は「譲与税の使途は普及啓発から人材育成まで広がっており、特には後継者の確保に力を入れたい」と述べた。これに対し、一部議員は「急がれる施策であるが、計画進行にスピード感が求められる」と懸念を示した。
次に、移住・定住コンシェルジュについては、現在一名が専任として地域交流や移住者の相談業務を担っている。執行部は「この体制を強化し、地域の特性を生かした施策を推進していく必要がある」との見解を示した。議員からは「追加のコンシェルジュを任命し、より多くの移住者を迎える体制を考えるべき」との提案があり、これに対して市長は「十分に検討したい」と慎重な姿勢を示した。
行財政改革の一環として、名目上の削減目標があるものの、実行に移すためには市民の理解と協力が不可欠であるとの認識が強調された。「この改革を成功に導くためには市民とのコミュニケーションを図り、具体的な結果を出していく必要がある」と強調された。
また、基本的な農業支援に関する見解でも市長は「高梁市の農業振興は地域振興のために非常に重要だ」と述べ、今後も農産物の品質向上と生産性向上に力を入れていく意向を表明した。特に米価の見通しについても、「安定した価格形成が必要」との意見があり、今後の国の政策に期待が寄せられている。
このように、行政の取り組みがうまく機能していくことが、地域住民にとって利便性をもたらし、さらには若者の定住や帰農希望者の増加にも寄与するとの意見が示された。議会内では農業を中心とした地域振興策が引き続き強調され、今後地域がどう発展していくのか、重要な局面を迎えることが予想される。