令和5年3月13日に行われた高梁市議会では、主要な議題として大型プロジェクトや観光施策が多く取り上げられ、特に高梁市の大型プロジェクトには多くの議員の関心が寄せられている。
金尾恭士議員が質問した大型プロジェクトについては、新消防庁舎とこども園の建設に関する事業費が当初35億円から現在77億円にまで高騰している現状が報告された。総務部長の北畑太一氏は、「国際情勢や人件費の高騰」が要因と説明し、700名以上の市民が避難生活を経験している災害意識も指摘された。高額化したプロジェクトに対し、見直しを行わない理由として、実施計画の堅持と合併特例債の活用期限が迫っていることを挙げ、方針に変更はないとの立場を示した。
観光施策については、金尾議員からの提案で「ら・フォーレ吹屋」の管理団体移行に伴う業務の引き継ぎと準備状況について質問され、産業経済部長の川内野徳夫氏は、“円滑な業務の引継ぎが行われている”と返答。今後の観光施策は、国の補助金を活用した公共交通機関の効率化がカギとなることも強調された。特に、観光資源の有効活用が重要で、ビジターに対する優遇措置と連携の必要性が示された。
さらに、発災時の消防水利の整備についても重要視され、消防長の川本雅之氏は市街地の消火栓や防火水槽の定期点検を行っているとし、839か所ある防火水槽の状況を把握していることを説明した。しかし、災害時の具体的運用方法や近隣地域との連携については検討の余地があると示唆した。
童謡のまち高梁についても意見が交わされた。最近はイノベーションを支える観光資源として、保育園との連携を模索していることが指摘され、教育長の小田幸伸氏は文化活動促進の側面からの取り組みの可能性に言及した。また、移住促進策については高梁市が外部人材を登用する意向が表明され、継続的な施策が求められている。情勢の変化に即した柔軟な政策展開が求められている。
市長の近藤隆則氏は、若年層への支援と地域の持続可能な発展が地方創生の鍵と強調し、政策監の設置や積極的な移住定住施策の推進、地域産業の活性化に対する思いを示した。今後の高梁市には、経済的効果や社会的価値を生み出すプロジェクト運営が期待されている。