令和5年第3回高梁市議会では、教育や子育てに関する施策が重要な議題として取り上げられた。特に、県立高校の存続や市内の教育環境の整備について、市議や市長、教育長がそれぞれの視点から意見を交わした。高校存続のためには、進学率の向上が不可欠とされる中、市内中学校からの進学者数について、近年は一部増加傾向にあるものの、全国的な流れの中では依然として厳しい状況であることが明らかになった。具体的には、高梁市内の中学生の進学率は約63%であり、市外から来る生徒が一定数いることも特徴的である。特に、城南高校と高梁高校への進学希望者数のバランスが取れていない状況については、地域の教育環境を見直す必要があるとの共通認識が得られた。教育長は、特色ある教育を展開しつつ、地域の課題に応じた施策の実施を進めることを約束した。また、視察先の自治体での施策を参考に、今後高梁市でも特色のあるプログラムや支援を整備し、教育者の雇用や子育て世代の住みやすい環境作りに向けた取り組みを強化していく意欲を示した。市長も、教育や都市計画において、地域の魅力を再認識し、持続的に人が住み続けるまちづくりを進める方針である。
また、周辺地域の医療機関に関する質問も議論された。成羽病院が地域における重要な医療機関であり続けるためには、医師と看護師の確保が急務である。市としても、地域の医療提供体制を維持するために、医療人材確保のための施策や支援策の強化が求められている。特に、豊かで長期的な医療環境を整えるためには、目に見える支援や情報提供、医療現場への投資が必須と認識されている。市民の健康を守るために、一層の努力を続けていく必要がある。
さらには、地域の文化財についても意識が高まっており、文化を大切にし、地域のアイデンティティを育てる活動が求められている。市内には数多くの文化財があり、それらを地域振興にも生かしていくための具体的な施策が期待されている。特に、夫婦岩の文化財指定についての動きがあり、地域の宝を守ると同時に、それらを観光資源として活用する方策も模索されている。
高梁市の今後の発展には、教育、医療、文化の各分野において、地域のニーズに応える施策が一層求められている。国や県の支援を受けつつ、市民と協力し合い、より良い地域社会を実現するための取り組みが急がれる。