令和元年第4回高梁市議会の一般質問において、平松賢司氏や宮田好夫氏が市民生活に密接な問題を取り上げ、高梁市の行政課題について論じた。
平松氏は特殊詐欺から市民を守る施策として、警察との連携強化が不可欠であると強調した。特に高齢者が狙われやすいため、市に相談窓口を設け、被害件数の把握と伝達方法の重要性を訴えた。市民生活部長の三上武則氏は、特殊詐欺に関する相談窓口を市民課に設置しており、昨年度には33件の相談が寄せられたと述べた。被害額も前年よりも減少したものの、高梁市内の被害実態に関しては未だ危機感を持って取り組む必要があるとの意見があった。
宮田氏は核兵器禁止に向けた取り組みを質問した。近藤隆則市長は、フランシスコ教皇の訪日を受け、核兵器廃絶の意義が高まったと受け止めているとし、平和首長会議の活動に積極的に参加する意向を示した。一方で、岡山県知事の署名に対する誘導申し出は行わないとの姿勢も表明された。
新たに高梁市地域公共交通網形成計画についても話題が及んだ。三上氏は、持続可能な公共交通の整備を進めるため、運営基準の明確化を図り、地域住民の利用促進を促す考えを示した。公共交通空白地域の解消は依然大きな課題であるが、運転手不足といった問題に対しても柔軟に対応していくことが必要だと述べた。
最後に、学童保育については、支援員の慢性的な不足が問題視された。部長の宮本健二氏は、賃金アップや支援員の確保を進める方針を示したものの、実際に子供の数は増加していない現状を受け、制度改革が求められる厳しい状況を明らかにした。保護者負担の増加案についても意見が交わされ、今後の支援策に影響を与えそうだ。
以上の内容は、高梁市議会における重要な施策や市民生活に直接影響を与える問題が協議され、市の姿勢や方針が確認されたことを示している。特に、特殊詐欺や核兵器禁止、公共交通、学童保育に関する問題は、行政が取り組むべき深刻な課題として市民の理解と協力を得るための対応が求められる。