令和3年第6回高梁市議会(定例)会議録が開かれ、複数の重要テーマが議論された。
中でも、新倉淳議員の農地保全に関する質問が注目を集めた。高梁市は高齢化と人口減少に直面し、農業の衰退が懸念されている。新倉議員は、農地の保全に向けた集落協定の現状を報告し、協定数や面積の減少を指摘した。「農地の保全は非常に重要です。高齢化のうえ、耕作放棄地が増加している問題に真剣に向き合うべきです」と強調した。
村原幸司産業経済部長は、集落協定にかかる数値を示しつつ、減少の背景に有害鳥獣の被害を挙げた。「実際に補助金を使った実績として、平成30年度には捕獲されるべき鳥獣の数が増加しており、対策は急務です」と説明を加えた。
市の教育も重要な議題とされた。平松久幸議員は、高梁市内の高等学校への進学率が低下している点を指摘。近年の人口減少が影響し、特に高梁高校と高梁城南高校は目標進学者数に達していない現状が報告された。教育長は、「高校と地域、企業との連携強化が必要だ」と述べ、地域との結びつきが重要であると強調した。
さらに議論が進む中で、三村靖行議員は高梁市の公共交通に関連して、生活交通の必要性を訴えた。「地域においては移動手段の確保が大変厳しい。特に高齢者が外出しやすくするためには、タクシー利用助成などの方策が重要です」と主張した。市は、利用者のニーズを受け止め、今後の施策に反映させる方針であることが伝えられた。
また、平松議員がマイナンバーカードの普及率が岡山県でトップであると指摘し、その活用を促進するための施策を求めた。市側は、今後の利用促進策を検討する意向を示した。
このように、市議会では市民の生活に密着した多様な議案が話し合われ、農業から教育、公共交通に至るまで、今後の施策に向けた意見が活発に交わされた。市民の期待に応えるために、それぞれの部門はさらなる協力と情報共有が求められている。