島根県内の原子力発電所を巡る情勢が注目される中、里庄町も避難者の受け入れについての対応を迫られている。福島原発の事故からの教訓を踏まえ、島根原発の安全運転に対する見直しや、再稼働の是非が議論されているのが現状だ。
特に、島根原発からの約30キロ圏内における避難計画では、松山市からの約700人の避難者を想定している。この650人には、幼稚園児や高齢者、医療機関の患者等多数が含まれ、その担保とする体制が必要とし、この受け入れ人数に対し具体的な対応策が求められる。
避難計画は、その体制や受け入れに対する詳細が未だ不明確であるという懸念も強まっている。「頂いた数については、松江市との打ち合わせに基づいていますが、その具体的な内訳が示されていない点が気掛かり」と語る議員も多い。これは、自然淘汰ではなく、被害者への配慮からの重要な問題である。
また、避難所の生活環境についても課題があり、必要最低限のトイレ数、温かい食事の提供、簡易ベッドの準備等が求められている。福島のケースを引き合いに出し、避難者のストレスを軽減する取り組みが望まれるところだ。
一方、町が進める取り組みとして、公的機関職員の労働環境にも目が向けられる。町内では、業務による残業や勤務状況の不備が指摘されており、これらの状況改善に向けた意識改革が求められる。特に、長時間の労働環境を改善すべく、特定休暇の柔軟な運用や、ノー残業デーの設定など労働環境の見直しが急務である。
また、たばこに関しては役場内での禁煙が強化され、今後の健康増進を目指す方針が伝えられている。やはり、健康な職場環境の確立は何よりも重要で、各職員が貢献できる場を提供することが求められる。これもまた、地域全体の雰囲気作りにつながるのではないだろうか。
里庄町が安全で住みよい地域社会を築くためには、原発問題に対する地域の認識を高め、しっかりとした避難計画の実行と同時に、町内の労働環境の整備、そして広域的ないざという時の受け入れ態勢を整えることが急務である。