令和2年9月の岡山市定例会では、犬島振興の取り組みが多くの議題に上がった。
犬島の振興計画については、総務局の福田政策局長が、岡山県離島振興計画に基づいて観光客数の増加や移住促進に向けた取組が進行中であるとの認識を示した。特に、岡山芸術交流の影響で、昨年は犬島への来訪者が約2万7,000人に達したという。このような多くの来訪者を迎えるため、計画は花開いていると強調された。
交通体系の整備についても触れられた。犬島へのアクセスは依然として課題であり、特に利便性を高めるためのバス便の増加や、定期航路の確保に向けての検討が求められている。赤坂隆産業観光局長は、需要を把握しやすいバス路線の維持へ向けて実績をあげているとの報告もあったが、さらなる増便を行うための具体的な手法についての明示はなかった。
また、通信体系の整備にも焦点が当てられた。特に、犬島南側での携帯電話の電波が弱い問題に対して、基地局の設置が必要との回答があったが、地元の地形や運営の難しさから慎重な判断が求められるという意見も出た。ここでも、地域の利便性とともに、医療や福祉における情報化の必要性も強調された。
生活環境の整備に関しては、ごみやし尿処理に係るコストの最適化、さらに医療面では通院時の経済的負担軽減に向けた取り組みが行われていると報告された。また、地域の健康づくり活動についても取り組みが続いているが、地域支え合い推進会議の効果に期待されている一方で、参加者の定期的な交流が重要視されている。
最後に、高齢者の就労支援についても言及があった。非正規雇用の現状を踏まえ、就労ニーズに応じた事業展開が行われるとしたが、現在の参与団体との協力状況などへの具体的な示唆は得られなかった。今後、事業の理解を深め、評価の仕組みをしっかりと整えていくことが求められそうである。
これらの議論から、本日さらなる充実した施策の確立に向けた透明性と市民との協働が重要視されることが浮かび上がった。全体の整合性を持ちながら地域振興を進める必要があるとの地方自治体としての意識が示されたとの声も多い。