岡山市議会の令和5年9月定例会は、国保料や生活保護、熱中症対策など多岐にわたる重要な課題が議題となった。
特に、国保料について、議員たちの関心が高い。国保加入者の多くが65歳以上で、経済的に厳しい状況にあるため、引下げが期待されている。高橋雄大議員は「団塊の世代が後期高齢者医療制度へ移行することで、国保財政はさらに厳しくなる」と指摘し、一般会計からの繰入れを求めた。その一方で、診療報酬は高額で、給付を抑える施策は限界があるとされ、柔軟な対応が求められる。
また、生活保護行政においては、扶養照会の手順が問題視され、岡山市の生活保護受給者への援助が不十分であるとの指摘が相次いだ。具体的には、扶養照会の結果、実際に金銭的援助に結びつくことが少なく、精神的援助にシフトすべきとの意見が多かった。
また、障害児福祉制度については、世帯の所得制限が問題視され、適用外となる福祉サービスが多い現状が指摘された。松本好厚議員は、無縁遺骨の問題提起を行い、「単身高齢世帯の増加が影響している」と述べ、今後の対応策が重要であると強調した。
岡山市では熱中症対策の取り組みも強化されている。特に学校での対応が課題であり、ヒヤリ・ハット事例の情報収集を基に、迅速な対応が求められる。議会では、住民的な指導も含め、より効果的な熱中症対策を進める必要があるとの声が上がった。
戦争に関する語り部の存在も重要視されている。渡邊祐樹議員は「語り部の後継者育成の必要性」を強調し、地域や学校との連携を促進する意義を述べた。これは,市民に苦難の記憶を伝えるための重要なステップであり、次世代への継承が求められる。
最後に、ウエルビーイングを指標にしたまちづくりも注目されている。市長は「市民の幸福度の向上が重要である」と述べ、各施策の効果に関心を寄せていた。相互に連携した施策の整備が、岡山市全体の発展につながると期待が寄せられている。