令和元年6月21日に行われた岡山市議会では、予算関係の議案が多数挙げられた。特に、一般会計や下水道事業会計の補正予算が重要な議題として審議された。議案の数は合計で54件に及び、議員からは個別の条例改正や新規条例の制定に関する質問が相次いだ。
その中で「芸術創造劇場」について、羽場頼三郎議員が疑問を呈した。羽場議員は、新しい市民会館の建設に関し、その目的や機能が従来の市民会館から大きく変わることへの懸念を表明。また、必要な資金や人材育成についても不安を示し、計画の見直しを提案した。これに対し、市長の大森雅夫氏は、施設が市民との新たな文化芸術活動の場となることを目指していると説明した。
続いて、岡岡市の里親制度についても議論がなされた。岡崎尚子岡山っ子育成局長は、現在70組の里親候補が存在するが、実際の委託は20組にとどまっている、その理由を重く受け止めると述べた。彼女は、発達障害を持つ子どもたちのサポート体制を強化する必要性も強調した。また、虐待防止条例に関しては、判定基準の見直しや人員体制の再考が必要との意見が出された。
さらに水道事業の民営化について、羽場議員は市民からの明確な反対意見が寄せられていることを指摘。市長は、当面の間、民営化の考えはないとの意向を述べつつ、将来的な状況を見極める必要があると語った。また、議会からは路面電車の延伸計画の検討状況についての質問も寄せられた。市からは現在、南区への延伸の可能性を探るための調査が進行中であることが伝えられた。
会議の最後には、交通安全対策、特に車暴走による事故の被害を防ぐため、装置の助成制度を求める意見が出された。これらの問題を背景に、市長は柔軟な対応が求められるとして、今後の施策の充実を約束した。市民にとって安全で住みやすい環境を作るため、議会と行政の連携強化が重要であるという共通認識が形成された。