令和3年11月の岡山市議会では、米や麦の価格下落に伴う農業施策が主な議題として取り上げられた。
先日発表された中国地方の米作況指数は岡山県が平年並みであり、農家への影響は軽微と思われたが、実際には概算金が前年より大幅に減少し、農業の先行きに不安が高まっている。
藤原哲之議員は、米価の下落が大型農家だけでなく零細農家にも深刻な影響を及ぼすことを指摘し、「収入保険の加入促進が急務である」と述べた。収入保険は、農産物からの収入が一定の基準を下回った場合に保険金が支給される制度であり、安定した農業経営に必要不可欠とされる。
さらに同議員は、他都市が行っているような、肥料価格高騰に伴う独自支援策の必要性も提案した。「岡山市もこの支援を検討すべき」と訴え、支援なくして兼業農家の持続は難しいとの見解を示した。
また、今後の農業の持続性を考え、後継者の確保も重要な課題との認識を示し、新規就農に向けた市の支援や、農業機械購入における補助制度の充実を求めた。
次に、耕作放棄地についても触れられた。藤原議員は、農業者が高齢化し、耕作放棄地が増加する現状に警鐘を鳴らし、「農地を農地以外に利用できるようにするための方策が必要」と訴えた。加えて、イノシシ被害に対する取り組みも欠かせないとのことで、岡山市のイノシシ捕獲数の目標について尋ねた。