令和5年2月20日に開催された令和5年度2月定例岡山市議会では、多数の議案が上程された。特に注目を集めたのは令和5年度岡山市一般会計予算案で、これは3,623億円の規模で過去最高額となっている。この予算は社会保障費の増加や物価高騰を背景にした厳しい財政状況の中で編成され、歳出の約60%を社会保障に充てることが見込まれている。
大森雅夫市長は、会議内で「本年度の医療費助成策の充実が図られており、子育て支援に本気で取り組んでいる」と強調した。具体的には、子どもの医療費助成を小学生まで無償化し、中学生については通院医療費の自己負担を1割とし、高校生の入院費は無償化する方針だ。この新たな施策は、子育て世帯にとって朗報であると同時に、医療費負担軽減の強いメッセージを発信している。
また、議会では周辺地域の活性化策についての言及も多かった。花岡栄太郎議員は、「市全体の振興は重要。地域振興は経済・産業振興、生活機能向上に関わる重要な取り組み」と述べ、特に地域の歴史や文化を活かした振興策を積極的に進めることを求めた。市長はこれに対し、「中心市街地のリニューアルや公共投資によって効果が出てきていることを認識しており、周辺地域の振興も意識して取り組んでいく」と答えた。
さらに、教育分野では、教員不足の現状が指摘された。大森市長は、教員の確保に向け、新たな採用試験制度を導入する意向を示し、更に多様な視点からの教員採用実施を決意した。具体的には、年度ごとの採用者数を増やす方針であり、若者の教職志願を促進する施策として期待されている。
この日程では、物価高騰に対する具体的な対策も討議された。市長は、エネルギー価格高騰対策として、最大100万円の支援金を提供し、非正規加点を伴う中小事業者への支援を続けると述べた。このように本議会では、様々な条例案の議決が行われ、岡山市の未来に向けた重要な方針が示されたことが注目される。