令和4年3月の定例会において、明らかになった美咲町の課題は、水稲栽培をはじめとした農業の支援、見守り活動、配食サービスの拡充、屋外広告物の更新に関するものでした。これらは、地域の安心・安全、さらには経済活性化に直結する重要な議題である。特に、農業における支援は、町の基幹産業を守るために不可欠である。しかし、町長のこれまでの姿勢には、十分な対応が見受けられないとの声も上がっている。
最初に、農業に対する支援について触れる。中西伶王議員は、農業が美咲町の基幹産業であるにもかかわらず、支援が遅れたことに対して苦言を呈した。「昨年の水稲の米価が大きく下落した問題に対し、議会での支援策評価が大変な速さで進んでいなかった」とし、町の収益構造が農業中心からの準備が不十分ではないかとの懸念を示した。
次に、配食サービスの実態についても山本資議員からの質問があった。高齢者の暮らしを支える配食サービスが、現在はどのように機能しているのかに疑問が抱かれた。資料によると、現在17世帯が利用している状況であるものの、条件を超えて申請しにくいシステムへの改善が求められている。利用者からは、収入格差や申請の難しさへの不満が多く、今後、システムの見直しが求められる。配食サービスに対する願いは、ただの食事提供以上のものであり、地域の結びつきまで考慮する施策が必要とされている。
また、地域の見守り隊の活動状況についても言及された。玉木保険年金課長は、「186件の登録をしており、多種多様な活動が行われている」と述べ、その活動の過程でプライバシーや情報共有に関する懸念も付随することを認識していることを示した。地域では、需給問題や安全確認のための活動が続けられているが、より幅広い参加、いわゆる若い世代の加入が促進される必要がある。
さらに、安全を脅かす恐れのある老朽化した屋外広告物や表示物についても、山本資議員からの指摘があった。見た目が重要視され、更新がなされていない現状では、美咲町の顔とも言える注意喚起を行う標識が市民にとって正しい情報を伝達できていない。老朽化に対する危惧やリプレイスの必要性が感じられる。
今回の定例会では、美咲町の未来に向けた課題と責任は、一層の組織的な取り組みが求められる。特に、農業分野における改革は急務であり、一人一人の町民が安心して暮らせる地域社会の基盤を築くために、多面的な支援体制が不可欠であると強調された。