令和2年1月16日に開催された美咲町議会臨時会では、義務教育学校の建設候補地を決定する重要な議案が審議された。開会にあたり、松島啓議長が出席議員への感謝の意を示し、臨時会の目的として柵原地域の義務教育学校建設地の方針決定について報告することを説明した。
町長の青野高陽氏は、柵原地域の学校建設に向けた取り組みを強調。建設候補地について、書副地区のライスセンター付近に決定した理由を説明した。町長は、有識者や代表者で構成された検討委員会を設置し、慎重に候補地を選定した経緯を述べた。
また、青野町長は「柵原地域の義務教育学校は、少子高齢化が進む状況下での起爆剤になる」と語り、一連の手続きの重要性を訴えた。教育長の黒瀬堅志氏も、住民への説明責任について言及。「建設地については議会での協議を経て結論が得られた」とし、事後的な説明責任を果たす意向を示した。
質疑では、議員たちが住民説明のタイミングや手法について懸念を示す。一部では、決定が議会内に留まる一方で住民に十分な説明が行われていない点に強い意見が集まった。山田雄二議員は「住民の合意形成が進められていない」とし、反対討論を行った。
討論の中で、賛成派は早期に学校建設を進める必要性が強調された。特に松田英二議員は、建設候補地の決定が重要であるとの見解を示し、予算案に賛成する姿勢を示した。反対派からは、住民に説明を行い適切な意見を聴くべきであるとの意見が挙がり、議論は白熱した。
最終的に、すべての議案は賛成多数で可決された。今年の4月には新たな義務教育学校が開校予定であり、町は今後も地域の声を反映しつつ、円滑な事業進行を図る必要があると考えられる。町長や議員は、さらなる地元説明や用地交渉に向けた準備を進めることを表明している。