令和3年6月30日、備前市役所において第3回定例会が開かれた。議題の中心には、副市長の選任同意や一般会計の補正予算が上程された。
まず市長の吉村武司氏が説明した。副市長候補の杉浦俊太郎氏は、教育長として市の教育行政に多大な貢献をした実績があるとした。そのため彼の選任は市の発展に寄与すると強調し、議員の理解を求めた。この提案に対し、中西裕康議員から具体的な質問が投げかけられた。副市長の住居や通勤手段、執務に関する詳細が問われ、吉村市長は、副市長は徒歩通勤し、庁舎内に執務室を設けると回答した。
続いて、令和3年度一般会計補正予算(第2号)の審議が行われた。議案第55号は、多くの議員から支持を受けた中で修正可決がなされたが、土地取得事業特別会計の補正予算議案第56号は否決された。この議案では、旧パチンコ店舗の土地を駐車場用地として取得する計画であったが、反対意見が多く、駐車場不足を問題視する声があった一方、予算の妥当性に疑問が呈された。
また、議案第61号の発議については備前市の組織及びその任務に関する改正案が提案された。この機構改革では部門が増設されて職員数は現状維持のままだが、目的達成と市民サービス向上が図られることが期待されている。反対意見が多く見られ、すべての委員が賛成する中ではあったが、教育行政の独立性や人員配置などの懸念が指摘された。
請願第18号と第19号に関しては、それぞれ日本政府に対し公的補助制度の創設や赤穂市福浦地区の産廃場計画の中止を求める意見書が採択されることとなった。
最後に選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書も提出され、やはり賛否が分かれたものの、賛成が多数を得て採択された。市議会では、選択の自由を認めることや多様性のある社会の実現に賛同する意見が増えていることが注目される。
このように、傍聴者や給与委員等が注目した中で行われた今回の定例会であり、議論の多様性や市民の声が反映される重要な一歩となった。