令和5年6月、備前市で開催された定例会では、地域の重要課題である安全安心のまちづくりに関する質疑が中心に取り上げられた。この中で、市議会の丸山昭則議員は、最近相次いで発生した震災を踏まえ、地域防災計画の重要性を強調した。市長の吉村武司氏は、市民に災害に対する備えの重要性をわかりやすく伝える必要があるとの認識を示した。また、避難所運営の在り方についても意見が交わされ、特に女性や子育て家庭に配慮した運営の重要性が訴えられた。
さらに、公共トイレの洋式化についても議論が行われ、公共施設におけるトイレの改善計画が求められた。吉村市長は、現在市内のトイレは1,593基あり、その内訳を示しながら、今後の洋式化への取り組みを前向きに進めていく考えを示した。
デマンド型乗合タクシーの運行状況も話題となり、近隣の小学校区単位での運行に対する市民の反応や、今後の運行方針について市長が説明を行った。改善点としては、運行エリアの拡大と利用実績の向上が挙げられた。
また、市道香登4号線についての整備計画が未来の地域輸送に貢献することや、耐震工事後の日生総合支所の有効利用計画に関する議論も行われた。議員たちは、支所の業務内容や地域住民のニーズに基づいた利用プランを考える重要性を指摘した。
最後に、委託・補助事業についても議論が行われ、市民や地域団体への意見聴取と合意形成のプロセスが求められた。市長は、これらの事業が持続可能で市民の生活向上につながるよう努める意義を強調した。特に、富裕層向けの観光補助に関する質疑では、経済効果を含めた観光振興策が必要である点が指摘された。これらの議論を通じて、備前市の未来に向けた施策の方向性が議会で確認された。