令和2年6月に開催された浅口市議会第4回定例会では、さまざまな重要な事項が議題に上がり、議員たちが市政に対する見解を交わした。
特に注目すべきは、香取良勝議員による遙照山の倒木事故に関する質問であった。この事故では、地域住民が伐採作業中に怪我をし、その後裁判に発展した。香取議員は、「市は責任を持ってその体が治るまで面倒を見るのが普通」と述べ、辿られた裁判の経緯を追及した。市長の栗山康彦氏は、事故の経緯について説明しつつ、必要な対応には誠実に取り組んできたと強調したが、議員の厳しい追及に対して必ずしも明確な回答を示すことはできなかった。
次に、明星産商の工業団地進出に関する話題が取り上げられた。香取議員は、当初の条件に反して市民が雇用されていない現状を指摘した。市長は「現状をきちんと整理し、雇用の確保を考えていく」と応じたが、具体的な改善策は不明確であった。また、コロナ禍における市民生活を守るための新しい取り組みについても質問が投げかけられ、オンライン授業の導入や給付金に関する議論が活発に行われた。特に、学校教育を支援するためにICT環境の整備が進められるとの説明があった。
また、藤井立子議員からの指摘に基づき、金光駅周辺事業の進捗についての議論が行われた。市長は、駅南口整備が進む中で市のアピールに関して検討を約束したものの、具体的な施策には詳細が乏しい印象を受けた。さらに、親子連れや障害者に配慮した避難対策として、プライバシーを重視した間仕切りの導入が提案される一方、現行の施設では困難であるとの実情も示された。
最後に、今後の新型コロナウイルス対策、特に市民の生命と暮らしを守る手立てについての発言があった。市長は、リアルタイムな情報発信や居住環境の整備が不可欠であると述べつつ、今後も積極的に取り組む方針を強調した。議会の討論を通じて市民の意見が反映されることが期待されており、市政における議論の重要性が再確認された。