令和3年12月6日、奈良県大和郡山市で、定例会が開かれた。議会では議案第45号から第56号までの質疑が行われ、特に権利の放棄に関する議案第54号に関する質疑に注目が集まった。
質疑の中で尾口五三氏は、権利放棄の理由として同和対策事業関連の債権回収の困難さを指摘した。市民生活部の中島優氏は、この債権が同和対策事業に関連するもので、対象者の死亡や相続放棄が関与していると説明。債務者が死亡し、法定相続人も全員相続を放棄したため、回収の見込みが立たないことを強調した。
中島氏は、債権の総額とこれまでの回収状況についても言及した。具体的には、4,556万1,855円の債権があったものの、回収率は75.6%に達し、現在の残債が1,111万7,850円となる中この債権を放棄する必要があるとのことだ。尾口氏は、職員の努力を称賛しつつも、今後の対応策についても提言した。
さらに議案第49号、大和郡山市行政組織条例の一部改正についても議論された。この度、大和郡山市は福祉健康づくり部を分割し、福祉部とすこやか健康づくり部を設立することになる。この改編により、より柔軟かつ適切な行政サービスの提供が期待される。
丸谷利一氏はこの改正の意義を問うとともに、分割による効果についても議会で検証する必要性を指摘した。また、債権回収の難しさを踏まえ、今後の戦略策定が求められるとの意見も述べられた。
中島氏は、住宅新築資金等貸付金についても言及し、債権回収が進まない中、必要な手続きを進めていく考えを示した。専門家による審査会を立ち上げ、公正かつ明確なルール作りが必要との見解も示されている。議会は、今後もこれらの議案を通じて、財政の健全化と公共サービスの向上に努めることとなる。