令和6年6月21日、天理市の第2回定例市議会が開催され、様々な重要な議題が討議された。議題の中でも特に部活動の地域移行、精神障害者福祉手帳所持者数の増加、天理市の景観維持策が注目されている。
神田和彦議員は、部活動の地域移行について質問した。現在、奈良県内の部活動には指導員不足が深刻な問題として指摘されている。具体的には、指導主任の異動、指導者の資格問題や人件費が問題となる。この地域移行に際し、各自治体の協力が不可欠であり、福住や南中学校では指導員が配置されているが、十分とは言えない状況であると強調した。
伊勢和彦教育長は、「令和6年度中に人材バンクを設立し、指導者資格の監視ガイドラインを設定する」と答えた。部活動地域移行における指導者確保と指導者報酬の問題が課題として浮上しており、今後の具体的な施策調整が求められる。
続いて藤本さゆり議員は、精神障害者保健福祉手帳の所持者数増加に関する質問を行った。精神障害者の数は増加傾向にあり、手帳の所持者数もそれに伴い増加している。市長の並河健氏は、最新のデータを基に所持者数が767件であり、特に二級手帳の増加が著しいことを説明。地域での理解が進んでいると述べた。
景観についても討議があり、藤本議員は天理市の景観維持についての施策を求めた。市長は、古都保存法や風致地区条例によって自然景観が守られている現状を報告し、特に木々や歴史的建造物の保全が重要であると主張。環境保全と地域の活性化は密接な関係にあり、この観点から市の行動が求められる。
農業における耕作放棄地の問題も取り上げられ、耕作放棄地調査によれば、約16.4ヘクタールに及ぶ。この減少に関して、市長は「農地のマッチングが進む一方で、宅地化も進行中」と説明し、地域での農業振興策が急務であると述べた。