令和6年第2回大和郡山市議会定例会が開催された。議事内容では、上田市政の方針に対する意見表明が行われ、特に「県域水道一体化問題」や「少子化対策」が注目を集めた。一般質問の冒頭、11番丸谷利一議員が上田市政のオープン性について言及し、住民説明会の重要性を訴えた。
丸谷議員は、上田市長が掲げる「スピード、オープン、チャレンジ」というスローガンに対し、市民との参加型合意形成が欠如していると指摘。特に県域水道一体化問題において、市民の反発が大きい中で、説明責任を果たす必要性を強調した。
市長の上田清氏が「既に住民説明会を一度開催し、他の市町村での試みも紹介した」と反論したが、丸谷議員は生駒市と比較しても大和郡山市での説明会実施が足りないと主張した。さらに、「多くの市民が水道一体化に対する不安を抱えている」と訴えた。これに対して市長は「今後も様々な形で説明を続ける」と述べたが、市民との直接対話の重要性には疑問の声が上がった。
次に、少子化対策についての質問がなされた。丸谷議員は、国が目指す合計特殊出生率2.09に対し、本市の出生率が1.30に留まっている現状を指摘。そこで、新たな施策の必要性を訴えた。徳田耕一・すこやか健康づくり部長は、地域全体での子育て支援、金銭的支援の拡充など具体的な取り組みを説明した。また、子育て世帯への医療費の現物給付化や、保育士の処遇改善についても述べられた。
市長は「少子化問題に対し、より本質的なアプローチが求められる」とし、地域全体での温かい応援が重要であるとの考えを示した。一方、実際の施策がどれだけ効果をもたらすのか、今後の進展が注目されている。
この会議は、市民の声を届ける手段ともなり、質疑応答が活発に行われた。県域水道一体化に対する反発や納得のいく説明を求める声が広がる中で、有意義な議論が展開された。このような議論こそ、市民全体の利益に繋がることが期待される。より良い地域づくりを目指し、引き続き取り組みを進めていく必要がある。