令和3年第4回大和郡山市議会定例会が開催された。会議では、合計12議案が審議され、意見書案及び決議案が原案通り可決された。
特に注目されたのは、子どもの歯の矯正治療に保険適用を求める意見書案であった。提出者の尾口五三氏は、歯並びの悪さが健康に与える影響を指摘した。歯列の矯正治療が高額であるため、経済的理由で治療を受けられない家庭の存在が懸念させた。
尾口氏は「歯列・咬合が原因で虫歯になるリスクが高まる」と強調し、全国的に見ても未受診の子どもが多いとのデータを引き合いに出した。国の基準を整備し保険適用を求めるこの提案には、議員間で賛同の声が集まった。
続いて、コロナ禍による米価下落対策を求める意見書案についても報告された。尾口氏は新型コロナウイルスの影響で米価が1500円も下落している状況を訴えた。高騰する生活費の中で農家へ配慮が必要であると述べ、政府に対する緊急買い入れを求めた。
さらには、中華人民共和国による人権侵害問題についての意見書案も審議された。金銅成悟氏は、海外の議会が中国の行為をジェノサイドと認定している事例を挙げ、国内外で中国政府に対する強い非難が広がっている中での提案が重要であると強調した。
また、北朝鮮による日本人拉致問題に関して、丸谷利一氏は、来年に解決の節目が訪れる可能性を示唆し、理解を深めるための取り組みの必要性を訴えた。そして、全ての議案において議員の賛同を求める姿勢が印象的であった。
これらの議案はすべて原案通り可決され、地方自治法に基づき、次のステップへと進むことが期待される。市長の上田清氏は、今期定例会の閉会に当たり、「議員に感謝すると共に市民の皆様の健康を祈る」とのメッセージを寄せた。