令和元年12月17日に開かれた天理市議会では、一般質問が行われた。
特に、寺井正則議員は持続可能な開発目標(SDGs)の推進に注目し、環境政策や教育施策における具体的な取り組みを求めた。
寺井議員は、SDGsが2030年を目指す国際的な目標であり、特に国内においても重要な課題であると指摘した。具体的には、環境政策に関連するプラスチックごみの削減策や、その影響を市民に周知・啓発する取り組みの強化が求められた。寺井議員は「プラスチック資源環境戦略」に基づく市の取り組みを引き合いに出し、プラスチックごみの回収量やリサイクル状況についての詳細を問いかけた。
環境経済部長の東博氏が説明したところによると、平成30年度のプラスチック容器包装の回収量は211トン、飲料用ペットボトルは129トンであり、リサイクルには課題が残されているという。特に中国をはじめとする国々がプラスチックごみの受け入れを拒否する傾向が強まる中、国内の処理能力の限界が浮き彫りになった。この現状をふまえ、迅速な対応が重要であると強調された。
また、寺井議員は食品ロス削減推進法についても言及し、地域特性に応じた推進計画の策定が求められると述べた。市長の並河健氏は、食品ロス削減は極めて重要な課題であり、今後も国や県の動向を注視しながら適切に対応する意向を示した。
次に、地産地消に関連する取り組みが紹介され、地域内で生産される農産物の消費が促進されることにより、地域経済の活性化につながると指摘された。市では、地元農産物を使用した給食の実施や、地産地消のイベントを通じて市民への周知を進めている。
教育分野においては、SDGsが教育行政にも影響を及ぼすことが強調され、教育長の森継隆氏は持続可能な開発のための教育(ESD)を推進する旨の発言をした。具体的には、SDGsに基づく教育内容の充実や、家庭での読書習慣の推進に向けた取り組みが必要とされる。
さらに、議会では認知症対策についても議論が交わされ、市では高齢者向けの訪問支援や地域包括支援センターの活動を通じて、認知症高齢者の支援が進められている。市長は、早期発見が重要であり、地域社会全体での見守り体制が必要と述べた。最終的に、議会では今後の継続した取り組みが求められ、議員たちの尽力が期待される。