令和五年第一回天理市議会定例会が、3月22日に開会し、主要な議案が提案された。
特に注目されたのは、国民健康保険の特別会計補正予算であり、今回の補正では1億7千92万円を追加し、総額は67億4千222万円に達する見込みとなっている。
文教厚生委員会の榎堀秀樹委員長が議案について説明した。「歳入歳出ともに追加が求められており、保険料軽減額の確定に伴い各種納付金が影響を受ける」と強調した。これによって、住民の負担軽減が期待されている。
また、議案第二十四号の国民健康保険条例の一部改正も話題になった。この改正は、登場する新たな所得基準の引き上げを含んでおり、荻原文明議員は「中間所得層への影響が甚大」と反対意見を表明した。
一方、天理市固定資産評価審査委員会の委員選任や人権擁護委員の推薦に関する議案も円滑に進行し、いずれも異議なしで可決された。市長である並河健氏は「推薦した山名岳彦氏が人権教育や啓発活動に対する高い見識を持つ」と述べ、適任者として推薦する旨を説明した。
さらに、令和五年度の一般会計予算も議題に上がった。歳入歳出予算の総額は267億1千万円に達し、前年比で4.1%の増加となる見込み。委員会の市本貴志委員長は「市民生活を支えるため、必要な施策に十分な資源を投入する」との意向を示した。
議会では認知症に関する意見書も可決された。内田智之議員が提案し、認知症と共生できる社会構築の必要性を訴えた。この意見書は、国に対して地域資源の活用や支援体制の整備を求めており、認知症に関する施策の強化が期待されている。
この他にも様々な議案が可決されたが、いずれも市民生活向上を目指す方向性が示されている。また、これらの議案の全体を通して、今後の市政運営に対する市民への配慮が不可欠であることも強調された。
最後に、市長は「今後も市民が安心して暮らせる環境作りに注力する」と締めくくったことが印象的だった。