令和五年第一回天理市議会定例会が開催され、重要な議題が提案される中、特に令和五年度一般会計予算案についての審議が注目される。
市長の並河健氏は、開会に際して「令和五年度の当初予算案には、様々な重要案件が含まれている」と述べ、議員に対して慎重な審議を要請した。今議会では、特に補正予算案や各特別会計予算についての説明が行われた。
例えば議案第七号の令和五年度一般会計予算は歳入歳出ともに約二百六十七億円を見込んでいる。この予算には、個人市民税や法人市民税の増収が含まれているが、コロナ禍の影響を考慮しながら、厳しい財政運営が求められるとの見解が示された。
また、出産子育て応援施策として、十万円の給付金やデジタル地域通貨「イチカ」による支援に関する進展が紹介された。市長は「妊娠、出産された方への支援拡大を目指している」と強調し、今後の取り組みへの期待が寄せられた。
さらに、地方創生の観点からも市長は「地域の強みを生かした経済振興が不可欠」とし、地域資源の活用を重視した施策を打ち出した。特に農業と観光の連携強化を目指し、季節ごとに異なるイベントを展開する考えを示した。
今回の議会では、財政の厳しさに対する認識が市民にも共有されることが求められている。市長は、「現状を冷静に分析し、未来に向けた施策で市民の期待に応えたい」と締めくくった。議会は、会期を三月二十三日までの十八日間とすることが決定し、議事が進められる予定である。