令和6年9月17日に開催された天理市議会の定例会において、防災対策が重要な議題として取り上げられた。
井上伸吾議員は、自然災害の影響に関する懸念を示しつつ、食糧備蓄や災害対策本部の設置状況について質問を行った。特に、今後の自然災害に備えた地域の食糧備蓄の重要性を強調し、地域の住民にも備蓄が奨励されるべきであると述べた。これは、行政の備蓄のみでは不十分だという認識に基づいている。
市長の並河健氏は、食糧備蓄について、現在の備蓄状況を明らかにし、アルファ米7200食分、水5400リットルが確保されていると説明した。加えて、地元企業との協定を活用し、非常時には飲料水を供給する体制が築かれていることも伝えた。マンホールトイレの設置状況については、小学校に36台の設置が完了しており、今年度にはトイレカーの導入も進めるとのことだ。
議員は、食料備蓄の必要性だけでなく、地域ごとの災害時の衛生環境の重要性についても言及した。特にトイレの重要性を指摘し、災害時の衛生を保つためにはトイレの確保が欠かせないと強調した。また、災害対策本部の常設についても質問があり、市長は庁舎の制約から設置は難しいとの認識を示し、具体的に使用する場所の提案を行った。
また、もう一つの大きなトピックとして、天理市の人口減少問題が挙げられた。村木敬議員は非正規職員の処遇改善や、経済的不安定が人口減少を引き起こしていることを強調し、自治体の施策が見直されるべきだと主張した。彼の質問に対し市長は、持続可能なサービス提供とともに市民の生活支援へ向けた政策の推進を表明した。特に、教育、福祉の分野での人件費が多くを占める中で、財政の合理化を図ぺきであるとの意見を述べた。
これに続いて、村木議員は公契約条例の制定についても議論を進め、適正な労働条件を確保する観点からの必要性を訴えた。市長は、現在市内で行っている最低賃金法の遵守や健康保険の加入確認を通じて、労働条件を保障しているとした。
最後に、天理市が災害に強いまちとなるためには、行政だけではなく市民との協力が不可欠だとの意見で締めくくった。この議論により今後の対策や準備がどのように進展していくか注目される。