天理市議会の定例会が開催され、一般質問が行われた。特に、子どもたちの小学校教育への円滑な移行や、待機児童問題が重要なテーマとして浮かび上がった。
二番、石津雅恵議員は、幼保連携における問題について質問を行い、現状の待機児童数について尋ねた。市長の並河健氏は、令和四年度より新たに丹波市こども園と前栽こども園を開園し、保育枠を増やしたことに触れ、現在の待機児童数は五名にまで減少したと報告した。さらに、来年四月には新たに定員九十名のニチイキッズ天理川原城保育園も開園予定で、保育枠の拡大が期待されている。
続けて、議員は小学校への進級における子どもたちの適応支援の重要性を指摘した。市長は、幼稚園や保育所での遊びと学びが小学校教育に繋がる施策を進めており、小学校との連携を強化していると述べた。教育長の伊勢和彦氏も、幼保小の接続期の教育の質的向上を図る「架け橋プログラム」事業について触れた。
また、石津議員は多様な体験学習の機会に関する質問も行った。市内の小中学校では、田植え、稲刈り、職場体験などを通じて、子どもたちに豊かな学習機会を提供している報告があった。市長や教育長は、その重要性を再確認し、今後さらなる充実を目指すと強調した。
一方で、第三のテーマ、インクルーシブ教育に関する質問も行われた。石津議員は、障害のある子どもたちが通常学級で学ぶための支援制度や、教育方針について意見を述べた。市長は、全ての子どもが共に学ぶ環境を整備することが必要であると述べ、個別の教育支援計画を策定している旨を説明した。
さらに、藤本さゆり議員による防犯カメラの設置状況に関する質問も行われ、現在市内には合計四十四台の防犯カメラが設置され、犯罪抑止に寄与していると市長は報告した。しかし、監視社会への懸念も取り上げられ、個人情報保護についての対策が求められた。市長は、適正な運用を徹底し、今後もプライバシーを守ることが重要であると強調した。
このように、議会では子ども教育や防犯問題に関する議論が繰り広げられ、各議員や市長、教育長が積極的に意見を交わした。今後の施策に期待が寄せられる。