令和3年4月26日に開催された香芝市議会臨時会では、重要な議案について慎重な審議が行われた。
議会基本条例の制定については、透明性や議会の権限の強化が求められる中、賛成意見と反対意見が交錯した。8番の筒井寛議員は、本条例の発議が市議会の会議規則に違反した状態で提案されたと指摘し、「議会の秩序を守るべきだ」と強調した。これに対し、賛成派の中山武彦議員は、「この条例は市民の信頼を得るために必要なものであり、早急に導入する必要がある」と述べた。
新型コロナウイルスに関連する意見書の採決では、木下充啓議員が「緊急事態宣言の発出を求め、実効性のある対策が必要だ」と提案した。市内の感染者数が急増する中、議会はこの意見書を賛成多数で可決した。
さらに、香芝市教育委員会教育長の任命についても議論された。副市長の小林悟氏は、「新たに任命される小西友吉氏が教育行政において持つ識見に期待している」と説明したが、議員の間では疑問の声も上がった。教育長の続投を望む意見も多く、「急務である教育現場の安定を考慮する必要がある」と反対意見があった。
一般会計補正予算に関する審議も行われ、感染症予防策として1億円の追加予算が可決された。この予算は、事業所向けの補助金を含む緊急対策に充てられる見込みで、地域経済の支援が期待される。地域振興局長の津崎弘美氏は、「この施策が多くの事業所に届くよう、迅速に手続きを進めていく」と述べた。
今回の臨時会では、議会改革や市民の安全確保を重視した多くの意見が交わされた。今後も香芝市における新型コロナウイルス対策や、市民の信頼を得るための努力が求められている。議会は市民の期待に応えるべく、議事運営に取り組んでいく構えを見せている。