令和6年9月9日に開催された王寺町議会の定例会では、学校プールの老朽化や水泳授業の民間委託に加え、ヤングケアラーへの支援強化、不妊治療助成制度、公益通報制度の整備、夾竹桃の管理といった多岐にわたる問題が議論された。
議員たちはまず、学校プールの状態に触れた。北義務教育学校と南義務教育学校ではプールがそれぞれ約27年および35年使用され、高齢化が見られるという。また、南義務教育学校のプールは築35年以上経過しており、使用可能な限界を迎えているとの見解が示された。これは、今後水泳授業の実施に影響を与える可能性がある。
水泳授業の実施回数や教員の負担軽減についても触れられ、民間施設に委託する場合のコスト比較が行なわれた。民間委託の場合は年間約2千万円の費用がかかり、学校プールの維持管理費用よりも高くなるとのこと。そのため、現在は学校プールの使用を続けることがコスト効率にとって最有利だと議員は主張している。
次に、ヤングケアラーへの支援について議論され、改正子ども・若者育成支援推進法に則り、児童生徒の調査や支援体制の確立が求められた。南住民福祉部長は、特に聴覚機能の低下によるヒアリングフレイルが懸念されていることを補足し、関係者の協力による支援を強調した。
また、不妊治療助成制度については、王寺町においても経済的負担を軽減するための助成制度の再導入を検討しており、王寺町の子ども計画への反映を目指すと報告された。これは少子化対策として大変重要な施策と位置付けられている。
最後に、夾竹桃の管理については、県内の他市町村での毒性に関する注意喚起が議論され、王寺町でも周知を図った上で、植物を他の安全なものに植え替える検討をすることになっている。
今回の定例会では、多様な問題が取り上げられ、今後の施策が進められることが期待されている。また、それぞれの議題について議論しながら、地域住民の安全や生活の質の向上に向けて努力していく姿勢が示された。