令和5年9月、東御市議会は定例会を開催し、様々な重要な課題についての議論を進めた。
この会議では、特に廃油回収に関するSDGsの取り組みが注目を集めた。村山 弘子議員は、地域での廃油回収の現状とその効果について質問した。市民生活部長の小松 信子氏は、平成20年度から廃油回収・リサイクルに取り組んできた成果を報告。令和4年度には1,230リットルの廃油を回収し、この廃油はリサイクル工場で塗料の原料として生かされていると述べた。また、村山議員は、廃油の利用促進についての市民への周知が必要との意見を表明した。
2028年に長野県で開催予定の国民スポーツ大会についても議論された。村山議員は、市内で予定されている競技について質問し、企画振興部長の井上 祐一氏は、ボクシングやハンドボールの開催場所としての市の役割を強調しつつ、地域活動を中心に市民の参加を促す取り組みを進める先見の明を示した。
さらに、産前産後の母親や子育て期の家庭に対する支援も重要なテーマとして挙がった。母親へのケアや支援が孤立感の軽減や育児環境の改善に繋がるとの議論がなされ、健康福祉部長の井出 政之氏が、これらの取り組みに対する市のアプローチを説明した。
次に、地域活性化において、里山資源を活用した取り組みが報告された。田中 信寿議員は、児玉山周辺の遊歩道整備を通じて地元活性化を目指す再生可能な農業プロジェクトの進捗状況と期待される成果を質問し、行政の支援がどうなっているかを問うた。産業経済部長の瀬下 澄仁氏は地域での協力体制を強調し、さらなる支援を約束した。
教育面では、いじめ問題が引き続き懸念されている。市内のいじめ認知件数が過去の調査結果に照らしてもほぼ横ばいで推移していることが説明され、教育次長の柳澤 秀夫氏が教育活動と連携していく姿勢を見せた。しかし、いじめ問題の深刻さもあり、議員らはさらなる対策強化の必要性を訴えた。
最後に、市内の防災対策に関連して、火の見櫓と消火栓の状況についての報告が行われた。田中議員はそれぞれの設備の耐震性能や維持管理の重要性を訴え、住民が安全に利用できるかどうかの視点を持つことの必要性を強調した。市としても、貴重な地域情報の周知や防災への取り組みの一環として、必要な設備の維持向上を図る方針を確認した。
このように、9月の定例会では地域の課題が多方面にわたり影響を及ぼしており、今後の取り組みに期待が寄せられる。