令和3年9月の東御市議会定例会が開催され、重要議案が審議された。
花岡利夫市長は、長引くコロナ禍における経済回復や防災対策について述べ、特に新型コロナウイルスの感染状況に対して市民の安全確保を徹底する意向を示したと伝えられた。市長は具体的な施策として、ワクチン接種推進や、感染予防策の強化に取り組むことを強調。これに関連し、令和2年度の歳入歳出決算認定においても、感染症関連事業に軸を置いた予算執行が行われたことを報告した。
また、議案第87号については、荻原輝久氏の人権擁護委員候補者推薦が上程され、荻原氏の人権意識や経験が評価され、議会の同意を得る見込みとなった。
令和2年度の各決算について、一般会計では205億6,610万4,000円の歳入決算額が報告されたが、一部項目で予想を上回る支出もあったことから財政運営の厳しさが浮き彫りになった。特に、法人市民税の減少が影響しており、引き続き収入の安定化が課題として指摘された。また、一般会計の最終予算額は225億6,704万1,000円で、歳出額も前年度に比べ大幅に増加した。
一般市民からの期待が寄せられているのは、商業振興策の整備で、令和3年度の補正予算（第6号）では新型コロナウイルスによる影響を受けている市内事業者への支援が強調された。市内飲食店への応援クーポン券配布や、商工業支援施策が組み込まれた。新型コロナ対策として予算配分が行われるとともに、長期的な経済活性化戦略の確立が重要だとされている。
議会では他にも、湯の丸高原テレワーク施設条例や市営住宅に関する条例の改正が提案されるなど、地域振興に向けた動きが活発化している。特に、テレワーク施設の設置はコロナ禍での新しい働き方を促進し、地域の魅力向上につながると期待が寄せられている。今後のビジョンとしては、地域の特性を生かした観光振興や交流人口の増加が掲げられる中、市民の声を反映しながらの政策運営が求められている。