松本市議会は令和5年9月定例会の会議を開き、各議員が市政に関する一般質問を行った。
特に注目されたのは、子育て支援政策と公共交通の改善についての議論である。市議会ではまず、子育て支援に関して、生活保護世帯へのエアコン設置補助の必要性が提起された。2023年度版の「子育てガイドブック」の情報量が多すぎるとの声もあり、分かりやすさと利用しやすさの向上が求められた。生活保護世帯からは、環境改善のための支援が急務であるとの意見が寄せられ、特にエアコン設置のための支援制度創設が望まれている。
松本市の教育長は、保育園や幼稚園の空き教室利用を拡大し、地域の多様な子育てニーズに応じることが重要であるとし、未整備の施設を連携して対応していく考えを示した。市民からの要望として、学校や施設の冷房設備がまだ不十分であるとの意見もあり、これに対する早急な改善が期待されている。
公共交通に関しては、デマンド交通の導入が議題に上がり、松本市は10月からAIを活用したデマンドバスの実証運行を始める。副市長は、この新しい交通手段の導入に当たっては、運転手不足が懸念されるが、地域特性に応じて適切な交通施策を検討することが重要であると述べた。また、収支率については一定の基準が設けられ、赤字が続く路線については廃止も考慮しているとのことである。
さらに、松本城の周辺施設についても議論され、特に埋橋の老朽化や耐震対策が急務であることが強調された。冷房設備の整備状況やその遅れについても触れられ、特に気候変動を考慮した市営施設の改善が求められている。市は、今後も埋橋の整備や体育館の冷房設備の導入に向けた施策を進める意向を示している。
他にも、子育てサポートクーポンの周知方法や民間事業者との連携強化が求められ、地域の様々なニーズに対応するための施策が提案された。市は、包括的な子育て支援体制を整え、市民が安心して生活できるような環境を整備していく方針である。