令和6年2月20日に開催された松本市議会の定例会が行われた。議題となったのは、医療事故に関する和解および市政一般への質問が中心であり、多様な意見交換が行われた。
初めに、臥雲義尚市長が提案した議案第93号、医療事故に関する和解について説明があった。この和解は、昭和62年に旧波田総合病院で発生した医療事故に起因し、相手方との合意に基づくものである。
続いて、宗田まゆ美議員が能登半島地震の教訓を踏まえた松本市の防災対策について質問した。今年元日発生した地震からの教訓を根底に、木造住宅の耐震化の促進を求める声が上がった。2022年の能登半島地震では、高い耐震化率を持つ地域でも倒壊による圧迫死が多かったことから、松本市の耐震化率目標値92%に対して、令和5年度末の達成率90.7%について建設部長は89.8%とした。
続く質疑応答では、宗田議員が高齢者世帯や独り暮らしの現状を踏まえ、耐震化が進まない原因について深堀りした。特に資金的問題が大きく影響していることを指摘し、それを改善するための政策が求められている。建設部長はこれに対し、高齢者のニーズに応える取り組みを進めていると返答し、高齢者世帯向けの補助金制度が活用されるべきであるとの考えを示した。
次に、共産党松本市議団の宗田議員は、一連の質疑の際に福祉避難所の整備についても言及した。昨年の台風でも福祉避難所の役割は顕著だったが、事前にその認識を促すことも必要であるとし地域での講座実施を提案。また、地震や災害時における高齢者支援体制の強化や離職問題も重要視された。
議論は多岐にわたり、各議員が地域住民のニーズに応えるべく様々な提案を行った。特に耐震化や災害対策、新たな避難所整備については強い関心が寄せられ、市民生活の質を高めるための施策は急務であることが強調された。報告の中では、医療を含む全ての施策が一体となって推進され何よりも住民へのサービス向上を目指すべきだとの意見も多かった。